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ツヴィリング・マギーにようこそ / 朗読劇atあさがやドラム

by YUMEOCHi

朗読劇レポート

「朗読劇」。一つの作品を持ち寄り読者自身が読み手となり命を吹き込む。役者自身が台本を片手に物語が進行する演劇のことである。

一般的に朗読劇と聞くと少し堅苦しいイメージがあるかもしれない。

実際に筆者はかの有名な「ものののけ姫」のアテレコ現場を想像した。(黙れ小僧!)

緊張感漂う現場...少しでも物音を立てようものなら場の雰囲気を壊しかねないシリアスな状況で繰り広げられる演劇。そんなイメージだった。

今回、取材のお話をいただいてからわかったことだが、なんと声優さん6人が繰り広げる朗読劇ということだった。

「シリアスではありません。ハロウィン、クリスマス、そして絵本をモチーフにしたポップな現場です。」担当からそうお話をいただく。

美輪明宏に怒鳴られることを想像していた筆者は安堵し、まずはその役者(声優)達が集う稽古場に向かった。出来るだけ身軽で、物音ひとつ立てないよう死ぬほど気をつけながら忍者のように稽古場のドアを開けた...。

今回のYUMEOCHi記事は、声優達への稽古場からの取材と、実際の朗読劇レポートと連動した記事でお送りする。インタビュー時は公演前日。時系列的には前になってしまうが、この記事で実際に朗読劇がどのように進行し、役者自身がどのように思い感じながら演じているのか、一緒に体感していただけたらと思う。

Sentence:RyO

Photo:mari kasai

一同:こんにちは!!!

扉を開けると元気な挨拶でいきなり出迎えられた。どうやら硬く腕組みする宮崎駿監督はいないらしい。

たった今稽古のリハーサルが終わったようで、演者たちはいいテンションで本番を迎えられるような雰囲気だった。勝手に対談形式のインタビューだと思い込んでいた筆者は、まさかの6人インタビューだったことにあわあわしてしまい(!)まずは自己紹介をしてもらい体勢を建て直すことに決めた。

初めまして。と最初に挨拶を交わしたのは今回の朗読劇の主催、野辺シュウさん。

作品の演出からBGMまで彼一人で行っている。

野辺シュウ(ルビッチ、魔法使い、グラハム)

野辺シュウ:今回の朗読劇は3本仕立てになっていて、脚本としては2本書き下ろしてもらっています。あと1本は西野亮廣さんの「えんとつ町のプペル」を朗読します。全てハロウィンがテーマになっていて、短編書き下ろしの10分ぐらいの作品と、もうひとつは僕のオリジナル曲にハロウィンとクリスマスの曲が*それぞれあって、それをモチーフに書き下ろしていただいた作品になっています。

(*野辺氏は歌い手としても活動している。)

──────この集まりはどういう繋がりで結成されたのでしょうか?

野辺シュウ:元々は僕と平畑くん(同メンバー、後述)と同じ声優の現場でお仕事をしていて、その繋がりで誘いました。他の3人は歌い手の界隈で繋がりがあったので声を掛けましたね。紫宮りずは今回代役なんですが、総じてこのメンバーでやるのは初めてですね。

──────このメンバーでやる事に対してはどうでしょう?そして意気込みを。

野辺シュウ:だんだん打ち解けてきて、緊張感無く出来てきているなって思います。

キャスティング的にも僕は満足していて、みんな楽しんでやってもらえたらいいなって。

役を決定するにあたって一度オーディションをしていまして、脚本書いている人にも同席して貰ったんですよ。なので一番しっくりくる形になってると思います。

岡 花菜乃*(ナレーション、グレーテル

岡 花菜乃*:私はそうだな~、声優のお勉強やっているうちに、人前で演技をする機会というのが中々無くて、朗読劇自体は3回目なんですけど、今回の箱でやる演劇は初めてなんです!

ドキドキしつつも、自分の演技にあんまり自信がなくて…声質がすごく特徴的なんですよ、私(笑)

なので演じ分けが難しくて、何になっても私になっちゃうというか...。でも私のこの声だからこそ出せる味はあると思っててそれを生かしつつ演じたいなと思っています。

シキ(中央:ゆうた、アントニオ、ヘンゼル)

シキ:僕も声優の勉強をさせていただいてる中で、音楽の活動にずれちゃってお芝居をなかなかできない状況だったんですけど、やっぱり自分が目指している場所は声優だったので、どこかでお芝居やりたいなっていう気持ちでずっといました。その時にシュウくんからちょうどお誘いをいただきまして。

僕自身、朗読劇は初めてだったので自分がやったことのないことに挑戦できる!という事で今回出させていただいたんですけど、実は役をもらってやるのは初めててで、ちゃんと設定がある中でやれたことは嬉しかったですね。3役の演じ分けがすごく楽しかった!

天ヶ瀬カズマ(ロボット、プペル 、ナレーション)

天ヶ瀬カズマ:自分も朗読劇は今まで結構やってきたんですが、自分の声質というよりかは役に寄せた声で演じることが多かったんです。

高校生役とか凄く元気にやってきたりしたんですけど、僕の声質で褒められるところって、結構深いところから地声に近い感じのところで。そういうところでお芝居したいなってずっと思っていたんですよね。

今回オーディションでも自分が思っていた通りの役をやれたので、この声で勝負しよう!って思えたんです。

だから今まで自分のお芝居を見てくれている人達が見にきたら、ギャップを見てもらえるかなって思います。あさがやドラムは過去に一回出たことがあって。そに時は代役だったので不完全燃焼でした。

過去を払拭して、今回はしっかり伝える。いい声で。

紫宮りず(みお、ルビッチの母、お母さんetc.)

紫宮りず:多分ご存知だと思うんですけど、今回私は代役です。

8月の頭ぐらいに決まったんです。個人的にはちっちゃい頃から演技が好きで、子供の時からミュージカルとか出ていたりはしたんですけど...今まで間が空いてしまっていて。一年ぐらい前から歌い手のライブに行ってて、でも演技をすることは諦めきれずに細々とやっていたんですけど...。

今回お話を頂いて、ご縁があったなあと思って出演させていただきました。

「オフィシャルの演劇」っていうのは初めてなので、共演者の方達からも凄くたくさん刺激をもらって、色々教えてもらいながらやらせて頂きました。

特にに大変だったのがお母さんを演じ分け。キャラを変えなきゃいけなくて最初は全然分けられなかったんですけど、アドバイスをたくさん頂いて少しづつ分けられるようになってきたので、明日はそのご恩を返したいなと思っております。

平畑栄樹(けいた、ナレーション、お父さん、サンタクロース)

平畑栄樹:僕は普段声優と、アイドルもやらせてもらってるんですけど、今年は朗読劇は初めてでした。ここ最近は演技という演技はしていなかったんですが...。

普段やってる役は青年系や少年系が多くて、今回は父親とサンタクロースですよ(!)

....おいおい、oh...まじか、みたいな(笑)

案の定やってもお父さんじゃないし、みんなが思うサンタクロース像の声をなかなか出せなくて、今でも喉を酷使しているというか(笑)

でも僕なりにすごい考えて演じていて、他の役であるナレーションもその一つで。めっちゃ大事だなと。

朗読劇においてナレーションがトチッちゃったりしちゃうと状況がわからなくなっちゃいますし。

役ではないけど僕たちナレーション組がしっかりしないと大事なところで泣かせることができないので、頑張りたいと思います。

(左から:シキ、平畑栄樹、天ヶ瀬カズマ)

朗読劇の舞台となったのは「あさがやドラム」。中央線阿佐ヶ谷駅に位置するライブハウスだが、近年ではアニメ系のイベントや小演劇場として幅広く使われている。

キャパ50程度で椅子が並べられ、今回のイベントではメンバー個人個人のファンが多く見られた。

緊張した面持ちでメンバーが入場する。

オープニングからプロジェクターが中々反応しない不具合があったが、お客さんも含め、かえって緊張が解かれたような気がした。

1作目の「Fireworks」がスタートする。短編だが、すっきりとまとまったお話をテンポよく朗読していく。

役者達が場の空気をスーッと掌握していくのを見ていて感じた。さすがだ。

そんな中でも、今回代役出演である紫宮りずがひときわ緊張していたようにも感じた。

彼女自身、共演者達に置いてかれずに付いていきたい、と語っていたが、夫婦役で共演していた平畑栄樹実は彼女についてこう語っていた。

平畑栄樹:今回紫宮さんの役である「お母さん」にはとても助けられました。僕自身の役である「お父さん」で中々声質の部分で悩んでいた時に、しっかりと紫宮さんの「お母さん」が演技で支えてくれているというか、力強くて、一緒にやってて頼りになるなあって感じました。たくさん作品の中でフォローしてもらいましたね。

(紫宮りず)

2作目「えんとつ町のプペル」は絵本で大ヒットし、作者:西野亮廣氏の革新的な手法としても注目された作品であった為、知っている人も多かったのではないかと思う。

事前インタヴューではプペル 役である天ヶ瀬カズマは、「感動で泣かせたい」と語っていた。

天ヶ瀬カズマ:雰囲気だけでも、世界観だけでも伝えられれば絶対できると思うんです。お客さんの心を揺さぶる。それができなかったら僕らの技量不足かな、と。

プレッシャーもありつつ、緊張感もありつつ、「プペル」は気合入っていますね。

この作品でもう一人の主人公であるルビッチを演じるのは主催の野辺シュウ

物語が進むにつれての二人の友情と、感情の揺れ動きを見事に表現していた。

そんなプペルとルビッチ役である天ヶ瀬カズマ野辺シュウの二人の関係性にも注目したい。

天ヶ瀬カズマ彼の何が良いかというと、セリフにない感情表現をしてくれる。いわゆる「息の芝居」ですね。

驚いた時、目の前が開けた時の息の飲み方だったりとか、息を合わせやすい僕の好きな芝居をしてくれる。

自分自身、息の芝居が多すぎると言われる事もよくあるんですが、 ちょうど良い掛け合いをしてて、ちゃんと向き合ってくれているな、と感じますね。多分彼は、誰とやっても楽しくお芝居をする方なんだろうな、と思います。

(天ヶ瀬カズマ)

個人的には、今回いじめっ子の「アントニオ」役で登場したシキの演技を推したい。

脚本を読んだ瞬間、(これ...猪木じゃん...)と感じた彼は、役に入るために練習では赤いタオルを持ってきて、語尾に「バカヤローーー!!!」と付けるほど必死に取り組んだそう。

その練習方法は見事、報われたように思う。自身たっぷりと、一番楽しんで演技していたように感じた。

そんなシキ岡 花菜乃*は3作目、「ツヴィリング・マギーにようこそ」ではヘンゼルとグレーテル役で兄妹役として演じる。

岡 花菜乃*:シキ君は専門学校から一緒で、当時から交流はあったんですが一緒にお芝居をやるのは初めてなんです。特に今回はヘンゼルの兄妹役なんですけど、ダントツでやりやすい!(笑)シキ君がやっているからこそ私が生かせるなあ、というか。私自身役に入ってしまうとテンションどかーん!!!みたいな事ができなくて、振り切れない事があって。シキくん自身が熱を持っているので、勢いで私を引っ張っていってくれている部分がたくさんあって、すごく支えられてました!

シキ:僕自身、音楽のライブ活動の走りも岡のおかげですし、結構僕は人間関係が切れることが多いんですが(笑)その中でもこれだけ続いているし、そういうのもあってやりやすいのかなって思いますね。

今回のお話3本通して子供が成長する物語だと思うんですよ。特に最後の話は僕の兄弟がさらわれて、助けに行って、成長していく。僕ら自身の演劇の中での成長を気にしながら、僕も一緒に演じれました。

(左から:岡 花菜乃*、シキ、野辺シュウ)

3作目である「ツヴィリング・マギーにようこそ」は岡 花菜乃*シキが役者陣をぐいぐい引っ張っていき、彼らの側面でもある歌い手活動の側面もあり、ポップにメルヘンに表現しきれていたように感じる。

お客さん達も、得意分野キタ(!)といったように、プペル との雰囲気のギャップを楽しんでいたように感じた。

最後に、今回の主催である野辺シュウに、この朗読劇を終えてどう活かしていきたいかを質問した。

野辺シュウ:今回共演するメンバーはこれが初めてだったけど、この朗読劇を通して自分の未来へ一歩でも進めるものであって欲しいなと思います。自分の演技が通用するのかとか、反応もらえるのか、自分の中にインプットとしていただけたらなと、そう思います。

──────またこのメンバーでの第2弾はありますか?

野辺シュウ:僕はやりたいです!あったら良いなって思ってますね。期待していてください。

PICK UP LIVE

(出演:野辺シュウ紫宮りず

(出演:岡 花菜乃*

(出演:シキ

(出演:平畑栄樹-Ne:XAS-

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